夏休み。キッチン。
「こんちゃんママーおやつ食べていい?」
「2個までねー。」
「よっしゃ!」
今日はこんちゃんの友達が遊びに来ている。
4年生はほっといても楽しそうでよい。
さて、さっさと家事を終わらせようぞ。
あー外のゴミ箱にビニールかけな。
ゴミ袋を広げようと裏口を開けて
バサッと腕を振った、その瞬間。
ブーン。
「……は?」
一匹のハチが
開いたばかりのビニール袋へ
ゴールイン。
いやいやいやいや。
なぜ入った。
袋の中でブンブンパニック中のハチ。
「うわ!ママ!ヤバいじゃん!ハチ、ハチ!」と
私のうしろで勝手にパニクってる4年生ズ。
4年生ズをなだめながらビニールの口を縛り
ため息をつくおむつ。
もーナウシカ先輩。
どうしましょう。
「この先はお前の世界じゃないのよ。ねえ、いい子だから。」
出典:映画『風の谷のナウシカ』(1984年)
いやいやホントそうなんすよ、ナウシカさん。
その通りっす。
ハチさんや、ここはお前の世界じゃねーのよ。
おむつ。は小さいころからジブリで育つ。
デフォルトでジブリが流れてる家だった。
だから私の半分はきっとジブリでできてる。
知らんけど。
でもナウシカ先ぱーい。
こいつ勝手に飛び込んできたんすよ?
わしにはどうにもできんて。
まだまだブンブンパニックのハチを眺める。
お互いの生活圏は守ろーぜ?
こっちはゴミ袋を広げただけなのに、
なーんでそのタイミングで
嬉々として飛び込んでくんのよ。
アンタだって暇じゃないでしょ?
巣のお世話とかで忙しいんじゃないん?
よく見てさけろよ。
そういうの注意不足っていうの、わかる?
あっもしかして女王さん怖くて
逃げてきた的な?
お前らもいろいろあんのな?
でもアンタは選択を間違えたよ。
私は別にキミ達が嫌いなんじゃない。
むしろ地球号の一員として
存在に感謝してる。
でもしょうがない。
少しの過ちが運命を決めることも、ある。
世知辛い世の中だからね。
せめて君の命が燃え尽きるまで
看取ってあげよう。
今度生まれ変わっても
決してビニールに飛び込んではいけないよ?
こうしてそのハチはビニールの中で息絶えた。
小さな命に合掌。
「ねぇ、うちのママずっとハチとしゃべってるんだけど。
ヤバくない?」
「うん、ヤバいwこんちゃん気をつけなよ?
なんかあったらうちおいで。」
4年生は相変わらず口が達者である。


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