夕方洗い物中。
今日の鶏ももの照り焼き風は
おいしいんだけど洗い物が大変。
焦げ付きなんて禿げちゃえばいいのに。
私がフライパンと格闘していると
スッとこんちゃんが隣に立った。
なんだろ?無言なんだが。
何か話したそうだけど、黙ったまま。
・・・まぁいいか。
とりあえずこの焦げを何とかせねば。
ジャブジャブ。
しばらくして
ぽつり。
「私、エミちゃんのこと、好きじゃないかも。」
「そっか。」
ジャブジャブ。
……
「でもね、エミちゃんの明るいところは好きなんだよ。」
「そーなんだ。」
ジャブジャブ。
……
「でも、たまに怒るのが苦手。」
「あー、そういうところね。」
ジャブジャブ。
……
「あっ、でも!」
また沈黙。
また「でも」。
また沈黙。
一生懸命話そうとするこんちゃんの顔を
私はあえて見ずに
2人で並んで前を向きながら聞く。
きっと今、こんちゃんの頭の中を覗けたら
いろんなもんが
ぐちゃぐちゃしてるんだろうな。
好き。嫌い。
でも好き。でも苦手。
気持ちを言葉にするのって
むずいよね。
私もそうだったわ。
「好きじゃない。」「でも。」
「あっ、でも。」
心って、そうやって言葉にして外に出すたびに
少しずつ片付いていくんだよね。
急がなくていいぞ!
なんたってまだ焦げが全然落ちてないから!
がっつり付き合いますぜ!
こんなことしか、できませんので!

