「ママー昨日のお祭り楽しかったねぇ。」
「綿あめおいしかったぁ。」
「よかったよかった。」
パンをこねながら
昨日のお祭りの話を子どもとする。
地域のお祭り。
毎年子どもたちは楽しみにしてる。
そんな中、おむつ。にも
密かな楽しみがあった。
それは和服鑑賞。
おむつ。は和服スキ。
ゆかたを着てる人は無条件にときめいちゃう。
おむつ。はこれを和服マジックと命名してる。
普段は行け好かないあいつも
浴衣姿はキュンとする。
横に大きいおにいさんも
「恰幅が最高」と見直す。
入れ歯のおじいちゃんも
浴衣を着ると何だかステキ。
女の人なんて
色っぽいのなんの。
そんな和服愛を熱弁する私の横で
伴侶は、別段興味がない。
「あの人いい!浴衣が似合いすぎる!」
「どこがだよ。」
「えっ背丈とか?」
「和服関係ないじゃんw」
「そしてあの浴衣、柄きれいっぽくない?」
「暗くて柄なんて見えねーじゃんか。」
「いやでもほら雰囲気でさ。」
「知るかw」
あーでもないこーでもないと話していると
隣でぼそっと
「ボクは?」
…そーだった、伴侶も着てたんだった、浴衣。
忘れてたw
そんなことは口が裂けても言えないから
「かっこいいに決まってるじゃないか!」とベタ褒め。
伴侶がニッコリ。
私は一安心。
でもさ、おもしろいよね。
世の中ほぼ全員に効く和服マジックが、
伴侶だけ全く効果がないw
世界で唯一、私をときめかせない男
それが伴侶なのだ。
理由は明確。
この人は私の中で
日常になりすぎているのだ。
非日常に憧れて
ドキドキワクワクするおむつ。
かたや、もはや和服マジックすら跳ね返す
圧倒的日常の伴侶。
若いおむつ。なら
そりゃ刺激的な非日常を好んだだろう。
しかし悔しいかな、昨日の私は
和服にときめくよりも
伴侶と普段通りのバカっぽい会話をしてるほうが割合多いのだった。
…なんだよ。
結局そっちかよ。
ちぇっ、やっぱりかなわねーな。
伴侶には。
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そんなことを思い出してたら
寝起きの伴侶が知らん間に横に立ってる。
びっくりしながら
続きのパンをコネコネ。
「おはよ。静かに立ってんのやめれ。」
「あのさ、ゲレンデマジックって
知ってる?」
「ん?寝起き早々なによ?
しらんよ。」
「雪の中だと反射光で
美人に見えるらしい。」
「???それがなに?」
「あれは嘘だったよ。」
「どゆこと?」
「小麦粉で反射してるんかしらんけど、おむつ。
今ちょーオバケみたいだったw」
おい、お前。
一旦、座って話そうか。


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