息子のなっとくんは最近キッチンが好きだ 。
私が夕食を作っているとトコトコ可愛く顔を覗いてくる。
「ママ、お手伝いしましゅ」
いや、大丈夫です 。
なぜなら母は今忙しいので。
そんなコトバは返せない。
ニコニコとした空気感を纏う彼にとても言えない。
フライパンで炒め物をしていると
彼専用の踏み台を準備して
戦闘態勢万全の5歳児 。
やる気満々じゃないかw
気づいていないふりをしていると
彼は目の前の蛇口をおもむろにひねった。
ジャー
シンクの中のフライパンに水が当たり
勢いよく跳ねる。
「なっとくん、止めてー」
というと黙ってすぐ止めた。
水が止まったことを確認した私は手元に目を戻す。
すると
ジャー
「また出てるよー!」
そこでまた彼は止める 。
そして私が目を離すと
ジャーの音。
・・・なるほどなるほど。
どうやら今日はお手伝いじゃない。
水との戦いだな、こりゃ。
そのうち料理が一通り落ち着き
ふと見るとまた水が出ていた 。
(まぁいいかな、明日も休みだし)
怒るのはいったんお休み
水じゃなくて、なっとくんの観察をすることにした 。
じーっと水を見つめる、なっとくん。
その横顔をじーっと見つめる私 。
ただ無機質に流れる水の跳ね返りを
キラキラした目で見つめる彼。
ただ水を見ているだけなのに
夢中なのが伝わってくる。
母には何がおもろいのか
さっぱりわからない。
ただ、その横顔があまりにもきれいで
思わず「なっとくんって、きれいだね」
と言葉が出た。
聞こえていないのか、反応はなかったけど。
私の目を盗んでまで水を流したかったんだね。
そんななっとくんの小さい脳みそに
チュッとキスしたくなった。
かわい。
またキッチン立ち入り禁止ができない理由が
一つ増えちゃったな 。

